「ブルベなのに、なぜか秋らしい深みのある色やくすみカラーがしっくりくる」と感じることはありませんか。本来、パーソナルカラーの4シーズン分類において「ブルベ秋」という独立したカテゴリは存在しません。しかし、16タイプなどに細分化された診断を受けると、ベースはブルーベース(夏または冬)でありながら、セカンドシーズンにオータム(秋)の要素を持つ人が一定数存在し、そのような方々が自身の傾向を捉える言葉として用いるケースが増えています。
こうした「自分のタイプが定まりきらない」「イエベなのかブルベなのかわからない」という悩みは、肌のアンダートーン(ヘモグロビンやメラニンのバランス)と、似合う色の属性(明度・彩度・清濁)が複雑に絡み合っているために生じます。イエベ・ブルベという単純な「色相(色み)」の区分だけで似合う色を判断しようとすると、かえって服やメイクの色選びに迷いが生じやすくなります。
本記事では、一般的なパーソナルカラー実務や一部の16タイプ分類などの観点から、この「ブルベ秋」と呼ばれる状態の正体を解き明かします。肌や髪の特性に基づき、なぜブルベに秋の要素が混ざるのかを整理したうえで、具体的にどのような色が似合うのか、メイク・髪色・服選びのポイントまでを網羅的に解説します。この記事を通じて、ご自身の魅力を引き出す最適なカラー選びのヒントを見つけてください。
記事のポイント
- パーソナルカラー診断で「ブルベ秋」という概念が生まれる色彩学的な理由
- イエベ・ブルベが分かりにくい原因と、明度・彩度に着目した診断の仕組み
- ブルベ夏・冬それぞれが秋要素(くすみ・深み)を取り入れる際の具体例
- 魅力を引き出すメイクテクニック、髪色、秋服選びの実践的なアドバイス
目次
パーソナルカラー診断で「ブルベ秋」と言われる理由と特徴
一般的な4シーズン分類では「スプリング(春)」「サマー(夏)」「オータム(秋)」「ウィンター(冬)」のいずれかに分類されます。しかし、人間の肌色や似合う色は、必ずしもこの4つの枠にきれいに収まるわけではありません。この章では、本来存在しないはずの「ブルベ秋」という言葉がなぜ使われるのか、その背景にある肌の特性や色彩の仕組みについて整理します。
「ブルベなのに秋の服や色が似合う」という口コミの真相
SNSや美容メディアなどでは、「プロの診断ではブルベと言われたけれど、パステルカラーよりもテラコッタやマスタードなどの秋色が落ち着く」といった声も見られます。このような現象が起こる背景には、その人が持つ「似合う色の優先順位」が関係しています。
パーソナルカラーは「色相(黄み・青み)」「明度(明るさ・暗さ)」「彩度(鮮やかさ・穏やかさ)」「清濁(クリアか、くすみか)」の4つの属性で構成されています。多くの場合、「ブルベ=青みが得意」と認識されがちですが、人によっては色相(青み)よりも、彩度(くすみ)や明度(暗さ)の要素が似合うかどうかの鍵を握っていることがあります。
つまり、「ブルベ秋」と自認する方は、ベースの肌はブルーベースでありながら、「秋」の大きな特徴である「低彩度(くすみ)」や「低明度(暗さ)」という属性が非常に得意なタイプです。そのため、完全なイエローベースの秋色でなくても、秋風の深みのある色や濁色を取り入れることで、顔立ちに立体感が出たり、肌が滑らかに見えたりするのです。
イエベ・ブルベがわからない原因とわかりやすい診断の仕組み
自己診断において「自分がイエベなのかブルベなのかわからない」と迷う方は非常に多いです。その大きな原因は、肌の表面的な色(表皮の厚さや日焼けの状態)だけで判断しようとしている点にあります。
人間の肌色は、表皮のメラニン色素(茶・黒)とカロテン(黄)、そして真皮層を流れる毛細血管のヘモグロビン(赤・青紫)のバランスなど、複数の要因の影響を受けます。自己診断の簡易的な目安として、静脈が青く透けて見える場合はブルベ、黄みがかって見える場合はイエベとする指標が紹介されることもありますが、照明や肌の状態によっても見え方が変わるため単独では判定できず、最終的な判断にはドレープ(色布)による確認などを含めて行います。
しかし、SNS等でいわゆる「グリベ(グリーンベース)」と呼ばれることもある黄み肌のブルベや、赤み肌のイエベといった複雑な肌質を持つ方も存在します。そのため、専門的な診断では肌色だけでなく、ドレープを顔の下に当てた際の「顔色の変化(影の入り方、肌の艶、フェイスラインの引き締まり)」を総合的に観察します。自己診断で迷う場合は、色相だけでなく「明るい色が似合うか、暗い色が似合うか」「鮮やかな色が似合うか、くすんだ色が似合うか」という別の軸を持ってみると、ご自身の傾向が掴みやすくなります。
「夏と秋」をまたぐタイプ(ミューテッド)の特徴
ブルーベースの「夏」とイエローベースの「秋」に共通する色彩の属性は、「濁色(くすみカラー)」と「低〜中彩度(穏やかな色合い)」です。この2つのシーズンをまたいで似合う要素を持つ人は、一部の16タイプ分類において「ミューテッド(ソフト)タイプ」と呼ばれることがあります。
メイクの実務などでは、このタイプの方は、肌の質感がマットからセミマットに見えるケースもあり、コントラストの強い原色やギラギラとした大粒のラメを乗せると、色が浮いて見えるように感じられる場合があると言われています。反対に、グレーがかったスモーキーな色や、少し褪せたようなニュアンスカラーを合わせることで、肌の透明感が増し、洗練されたアンニュイな雰囲気が引き立ちます。
具体的には、ファーストシーズンが夏、セカンドシーズンが秋となる方は、青みを含んだくすみカラー(ダスティピンクやブルーグレー)を主軸にしつつ、秋の要素である穏やかさを取り入れるのが正解です。強すぎる色を避け、全体をソフトなトーンでまとめることで、本来の魅力が発揮されやすくなります。
「冬と秋」をまたぐタイプ(ディープ)の特徴
ブルーベースの「冬」とイエローベースの「秋」に共通する属性は、「低明度(暗さ)」です。この2つのシーズンをまたぐ方は、一部の分類において「ディープ(ダーク)タイプ」と呼ばれることがあり、顔立ちにハッキリとした陰影があったり、髪や瞳の色が深く濃かったりする傾向が見られることがあります。
このタイプの方は、パステルカラーなどの明るく淡い色を身につけると、顔周りがぼやけてしまい、せっかくの目力が弱まって見えがちです。一方で、黒に近いような深い色(ボルドー、ミッドナイトブルー、ダークプラムなど)を身につけると、顔の輪郭がシャープに引き締まり、肌の白さや滑らかさが際立ちます。
ファーストシーズンが冬、セカンドシーズンが秋となる場合は、「暗さ」と「深み」が似合う重要な要素となります。純粋な真っ黒だけでなく、少し赤みや紫みを感じるダークカラーを秋冬のワードローブに加えることで、重厚感と華やかさを両立させたスタイリングが可能になります。
秋要素を持つブルベのスタイリングに見る共通点
実際に、パーソナルカラーの実務において秋の深みやくすみカラーを着こなしているブルーベースのスタイリング例を観察すると、いくつかの共通点が見えてきます。こうしたケースでは、自身のベースカラー(青み)を完全に無視するのではなく、色選びの「明度」や「彩度」を巧みにコントロールしています。
たとえば、クールかつ知的な印象を演出するスタイリングの中には、鮮やかなロイヤルブルーよりも、少し黒を混ぜたようなネイビーや、深いワインレッドの衣装が用いられることがあります。これは、一部の分類における冬と秋をまたぐディープタイプ特有の「暗くて強い色が顔立ちに調和しやすい」という特徴を活かしたスタイリング例です。
また、「抜け感」や「色素薄い系」と評されるようなメイクでは、夏と秋をまたぐミューテッドタイプに似合う色が使われることがあります。黄みの強いオレンジやブラウンではなく、ローズブラウンやモーヴといった「青みを含んだくすみカラー」をリップやアイシャドウに用いることで、肌の透明感を引き立てつつ秋らしいアンニュイな表情を作り出しています。
ブルベ秋に似合う色と具体的なメイク・服・髪色の選び方

ベースはブルベでありながら秋の要素(くすみ・深み)が得意な方は、一般的な「ブルベ向け」として紹介される鮮やかな色やパステルカラーだけでは、物足りなさを感じることがあります。この章では、黄み肌のイエベ秋とは異なる「ブルベ向けの秋色」の選び方や、メイク・髪色・服への具体的な落とし込み方を解説します。
誤解「ブルベだからブラウンや秋服は似合わない」は本当か
パーソナルカラーの知識が広まるにつれ、「ブルベはブラウン系のメイクや秋色の服が一切似合わない」という誤解を抱く方が増えています。確かに、キャメルやテラコッタ、黄土色といった黄み・オレンジみが強いブラウンは、ブルベの肌に乗せると黄ぐすみや疲れた印象を引き起こす原因となります。
しかし、すべてのブラウンや秋服がNGというわけではありません。ブラウンにも赤み寄り・黄み寄り・グレー寄りなどさまざまなニュアンスがあり、その色味の選び方によってブルベの肌にも美しく調和します。重要なのは、「黄み」を避けて「赤み」や「青み(紫み)」に寄ったブラウンを選ぶことです。
たとえば、ココアブラウン、ローズブラウン、ボルドー、プラムなどは、ブルベの肌の透明感を残したまま秋の季節感を演出できる優秀なカラーです。「ブルベだから」と秋服を諦める必要はなく、色のニュアンス(アンダートーン)を見極めることで、幅広いファッションを楽しむことができます。
似合う色の基本ルール(青みを残した深み・濁色)
秋要素を持つブルベが色を選ぶ際の基本ルールは、「青み(ベース)」を保ちつつ、「深み(低明度)」または「濁色(くすみ)」を取り入れることです。この掛け合わせによって、顔色が沈むことなく、大人の落ち着きや洗練された印象を引き出すことができます。
具体的なおすすめカラーとしては、赤系であればワインレッド、ボルドー、バーガンディといった紫みを感じる深い赤が挙げられます。青系であれば、ネイビー、ミッドナイトブルー、スモーキーなブルーグレーなどが、肌の白さを際立たせます。
もし、トレンドの秋色であるカーキやマスタードを取り入れたい場合は、顔周り(トップス)ではなく、ボトムスや靴、バッグなどの小物で取り入れるのが鉄則です。顔の近くには得意な青み・深みのある色を配置し、遠い場所で秋らしさを添えることで、パーソナルカラーの枠を超えた自由な配色が可能になります。
透明感を引き出すメイク術(ベース・リップ・アイシャドウ)
メイクにおいて「ブルベ秋」の魅力を引き出すには、肌のベース作りからポイントメイクの色選びまで、一貫した計算が必要です。ベースメイクでは、黄ぐすみをカバーしつつ、秋らしい落ち着きを持たせるために、ピンクオークル系やニュートラルな明るさのファンデーションを選び、セミマットな質感に仕上げるのがおすすめです。
アイシャドウは、黄みの強いゴールドやオレンジブラウンは避け、モーヴピンク、プラム、アッシュブラウン、またはシルバーや多色ラメが控えめに入ったグレージュなどを選びます。これにより、目元のホリを深く見せつつ、くすむことなく洗練された陰影を作ることができます。
リップは顔の印象を大きく左右するパーツです。秋らしい重厚感を出したい場合は、青みを含んだディープなベリー系、カシスレッド、ローズブラウンなどを選ぶと、肌の白さとのコントラストが美しく映えます。シアー(透け感のある)な質感のものを選べば、濃い色でも日常使いしやすくなります。
髪色はアッシュブラウンやオリーブグレージュで黄みを抑える
ヘアカラーもパーソナルカラーと密接に関わっており、顔の額縁として全体の印象を左右します。秋要素を持つブルベの場合、髪が褪色した際に出やすい「オレンジみ」や「黄み」は、肌をくすませて見せる最大の敵となります。
美容室でオーダーする際は、赤みや黄みを打ち消す寒色系のカラー剤をベースにしてもらうのが基本です。具体的には、ブルーやパープルを隠し味に入れたアッシュブラウン、グレーを混ぜたグレージュ、または深みのあるダークブルージュなどが最適です。
少し秋らしいニュアンスを足したい場合は、オリーブ(緑)を少し混ぜたオリーブグレージュもおすすめです。一般的に、オリーブ系のカラーは髪の赤みを抑えやすく、くすんだマットな質感が秋のファッションと見事に調和します。ただし、髪質や現在の明るさによっては黄みが出やすくなることもあるため、美容師に相談しながら中〜暗め(目安として6〜8トーン程度)に設定すると、上品な艶と透明感を維持しやすくなります。
夏タイプが秋服を着こなすための選び方(ソフトトーン・素材感)
ファーストシーズンが夏(サマー)で、秋服を着たい場合のポイントは「ソフトなトーン(中〜高明度・低彩度)」と「素材の柔らかさ」を意識することです。ブルベ夏は元々、強すぎるコントラストや重厚すぎる素材が苦手な傾向にあります。
そのため、秋服を選ぶ際も、真っ黒や深いボルドーで全身を固めるのではなく、チャコールグレー、ココアブラウン、スモーキーピンクといった、少し白やグレーが混ざったような曖昧な色(ニュアンスカラー)を中心に構成します。
素材に関しては、秋らしいツイードやコーデュロイを取り入れる場合、目が粗く分厚いものよりも、細畝(ほそうね)のものや、柔らかく落ち感のあるサテン、シフォン、ハイゲージの滑らかなニットなどを選ぶと良いでしょう。重たい色や素材を顔周りから遠ざけ、軽やかさを残すことが、夏タイプが秋服を着こなすための秘訣です。
冬タイプに似合う色と秋服への落とし込み方(深みとコントラスト)
ファーストシーズンが冬(ウィンター)で、秋の要素を取り入れたい場合のポイントは「深み(低明度)」と「コントラスト(明暗の差)」を活かすことです。ブルベ冬は、はっきりとした強い色や、真っ黒・真っ白が似合うシャープな魅力を持っています。
秋服を選ぶ際は、オータムタイプの得意なアースカラー(カーキやテラコッタ)ではなく、ディーププラム、ダークネイビー、ワインレッド、チャコールグレーといった、青みと暗さを兼ね備えた色を主役にします。これらの色は、冬タイプの顔立ちをさらに立体的でクールに見せてくれます。
コーディネートにおいては、全身を暗い色だけでまとめると重くなりすぎる場合があるため、真っ白なインナーやシルバーのアクセサリーを効かせて、どこかに「抜け感」や「コントラスト」を作るのが効果的です。素材は、光沢のあるレザーやハリのあるウールなど、リッチで重厚感のあるものが、冬タイプの存在感に負けず美しく調和します。
「ブルベ秋」の正体と似合う色・メイク・服の総まとめ

ここまで、「ブルベ秋」と呼ばれる状態の色彩学的な理由と、魅力を最大限に引き出すための具体的な色選び、メイク、服の選び方について解説してきました。本来の4シーズンにはない分類ですが、自身の得意な「明度(明るさ)」や「彩度(鮮やかさ)」の軸を理解することで、色選びの迷いは確実に減っていきます。
記事の要点を以下に整理します。
- 「ブルベ秋」は正式な4シーズンには存在しないが、ブルベ(夏・冬)をベースに秋(低彩度・低明度)の要素が得意な人を指す言葉である。
- イエベ・ブルベの診断で迷うのは、色相(青み・黄み)よりも明度(暗さ)や彩度(くすみ)が似合うための重要な条件になっているから。
- ブルベ夏と秋をまたぐタイプ(ミューテッド)は、青みのあるスモーキーカラーやソフトな濁色が得意。
- ブルベ冬と秋をまたぐタイプ(ディープ)は、青みを含んだ黒に近いダークカラーや深い赤・紫が得意。
- ブルベでも秋色やブラウンは着こなせる。黄みを避け、ローズブラウンやココアブラウンなど赤み・青みを含んだ色を選ぶのが鉄則。
- メイクはセミマット肌をベースに、プラムやカシス、モーヴピンクを用いて透明感と秋らしさを両立させる。
- 髪色は黄み・赤みを消すアッシュブラウン、オリーブグレージュ、ブルージュなどを暗めのトーンで設定する。
- 夏タイプが秋服を着る時は、チャコールやココアなどのニュアンスカラーと柔らかい素材を選ぶ。
- 冬タイプが秋服を着る時は、ダークプラムやネイビーなどの深い色を主役に、コントラストを効かせる。
- 最終的には、顔周りに得意な色(青み・深み・くすみ)を置き、苦手な色はボトムスや小物で取り入れる工夫が大切。
ご自身の肌や髪の特性(アンダートーンや質感)は、一生モノの個性です。パーソナルカラーは「この色しか着てはいけない」という縛りではなく、好きな色をどうすれば自分に似合わせられるかを見つけるための便利なツールです。今回解説した「青みを残した深みとくすみ」のルールを参考に、ぜひ今年の秋冬は、ご自身の魅力をさらに引き立てる新しいメイクやファッションに挑戦してみてください。
参考情報・出典
- NPO法人 日本パーソナルカラー協会:4シーズン分類とは? [
https://school.npca.or.jp/4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3 - 株式会社ラピス:16TYPES PERSONAL COLOR [
https://www.lapis234.com/16type-personal-color/ - デミ コスメティクス(DEMI LABO):髪色のトーンとは? [
https://www.demi.nicca.co.jp/media/2356/

